法学勉強日記−雑記

法学部としての勉強内容を中心に、自分の思考整理に利用しています

2019-01-01から1年間の記事一覧

「主権」について整理する

複雑な議論をするので心して付いてきてほしい。 まず、「主権」の語は「国家の主権」のように対外的な独立性を示す文脈で使われることもあれば、「国家における主権」のように対内的な最高性を示す文脈で使われることもある。対外的な独立性とは、国家が一定…

天皇機関説と国家法人説を分かりやすく論述する

明治憲法を立憲的に運用する、すなわち明治憲法によって国家権力を制限して国民の権利を保護することを学的に支持・正当化したのが立憲学派の天皇機関説である。 まず、天皇機関説は国家法人説を前提とする。国家法人説とは、国家は一種の法人であり、法的権…

法の支配を分かりやすく考える

まず法の支配が極めて歴史的な概念で、多義的な概念であることに留意する必要がある。時代や国、論者によって様々な理解が取られているので、そもそも理解するのが難しいのである。 法の支配とは原則として専断的な国家権力の支配を廃し、権力を法で拘束する…

西洋政治思想史の外観−全体主義に向かって

ここからは全体主義を見据えながら、各思想家を整理していく。 まずはウェーバーである。彼はなぜキリスト教を思想的背景とする国が多い西欧世界で資本主義が成立・発展したのかを解き明かそうとした。その真髄はカルヴァン派の「予定説」を元にした天職の思…

西洋政治思想史の概観ーその1

レジュメを見ながら、自分の言葉でまとめる。自分の理解が含まれているので正しくない所もあるかもしれない。 古代ギリシアの都市国家(ポリス)は政治の原点といって良い。近代そして現代の政治観にまでその思想的根拠として援用されてきた。 先駆者はやは…